会派代表質問・一般質問一覧要旨
- 会議名
- 令和8年 2月定例会
- 質問日
- 令和8年2月27日
- 区分
- 一般質問
- 議員名
- 惣山かすみ
- 資料
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要旨
1 逆・介護保険制度について
介護保険制度は、制度創設から25年を過ぎ、高齢者及び介護保険制度を取り巻く環境は大きく変化しました。65歳以上の高齢者人口がピークを迎え、高齢化率が30%を超える中、今後は75歳以上の後期高齢者が増加を続けることで介護需要のさらなる増加が予測される一方、生産年齢人口の急激な減少により現役世代の負担が増加、また介護人材の不足が深刻化し、持続可能な制度の見直しが求められています。また、世帯構造の変化や地域社会とのつながりが弱まったことで、身寄りのない高齢者の増加や老々介護、8050問題など新たな課題が生じています。このような情勢を踏まえ、市では「新発田市高齢者福祉計画・第9期介護保険事業計画」が策定されました。
本市の介護保険特別会計内訳の中心である介護給付費は、令和5年度で約89.2億円、令和6年度で約88.8億円と推移しています。
現在の介護保険制度は、要介護度が重いほど報酬が高く、要介護度が改善すると事業収入が減る構造となっており、自立支援に熱心に取り組む事業者ほど経営が厳しくなり、職員の処遇改善も難しく、結果として介護人材不足や離職の一因ともなり得ます。
そこで、自立支援にインセンティブを設ける、いわゆる逆・介護保険制度について伺います。これは、従来の重度化するほど報酬が増える仕組みとは逆に、利用者の要介護度の改善・維持に応じて事業者に成果報酬を追加で支払うというもので、自立支援型ケアを促し、健康寿命の延伸と給付費抑制を同時に目指すものです。
神奈川県川崎市のかわさき健幸福寿プロジェクトでは、意欲ある高齢者に対し複数事業所チームが1年間集中的に支援し、要介護度(ADL)が改善・維持した場合、利用者1人当たり約5万円の報奨金、市長表彰、認証シール、公式サイトでの公表などによる社会的評価が行われています。導入から10期以上継続し、延べ2,500人以上、1,000事業所以上が参加し、要介護度改善率は全国平均の2倍以上、1人当たり約4万9,000円の給付費削減効果があったとされています。
利用者の自立向上、事業者への報奨、保険財政の健全化という三方よしの好循環を生み出している事例であり、川崎市のほか岡山市、品川区、川西市などでも類似の取組が行われています。本市の課題解決にも資する有力な選択肢の一つと考えますが、導入についてのお考えを伺います。
2 乳幼児と親を支える取り組みについて
本市でも、乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)の制度設計が進んでいます。この制度は、保育所に通っていない6ヶ月〜3歳未満が対象で、就労要件を問わず、月10時間の枠で柔軟に保育園を利用できる新たな制度です。現代の子育て家庭を支える重要な仕組みであり、必要な家庭には活用していただきたいと考えています。しかし、乳幼児期の育ちを丁寧に支えるためには、子どもの周りに、安心できる大人をどう増やすかが重要と考えます。
農家や市民の方に聞いてみると、昔は、農繁期には、母親も忙しく、村の地主の家に幼なじみと一緒に預けられていたりと、母親が忙しくても、祖父母、姉妹兄弟、近所の方、親戚の人、地域の大人など、多くのひとが自然に子どもを見守ってくれていたと言います。ゆるやかな共同の子育てが成り立っていた時代です。しかし、今は、核家族化が進み、母親が孤立し、近くに頼れる大人が極端に少なくなりました。こうした環境の違いを踏まえると、市として、安心できる大人をどう増やすかが、子育て支援の鍵になると考えます。
当市は、政令指定都市である新潟市も近く、子育て世帯が多く暮らし、イクネスしばたやこども家庭センターなど、乳幼児と親が一緒に通える場所を増やしてきています。この取り組みは、特に初産の母親や移住してきた方から、助かっているとの声を聴きます。それは、核家族化により、相談しづらくなった子育てにおける小さな悩みや、ちょっとした家庭の相談、ただ聞いてほしかったことなど、乳児を育てる母親の支えになっている証しです。
この核家族化した親たちは、昔のように多世代で暮らしてきた年代と違い、自分の子育てが本当にこれでいいのかと、日々向き合い、こどもに育ててもらうことも多いものです。これを親育ちと言います。
その後、親が働くため、保育園に通園するようになると、これらの支援センターとのつながりは薄くなり、保育士との連携が鍵となってきます。
そんな中で、全国では、丸一日、保護者が保育に参加する1日保育体験が行われているところがあります。この取り組みは、親の育児理解の向上、父親の育児参加促進、母親の負担軽減、子どもの安心感の向上、家庭と園の信頼関係を深めるなど多くの成果を生んでいます。
元埼玉県教育委員長の松居和さんの「ママがいい!」という著作の中で、父親が1日保育体験に入り、昼寝で背中をさするお父さんに、子どもが「お父さんありがとう」と言うところで、父親が涙を流す場面があります。父親が本当の意味で親になる瞬間として語られています。乳幼児には、お父さん、お母さんを本当の親にする偉大な力があります。
以上のことから質問いたします。
(1) 新年度から本格実施予定の「こども誰でも通園制度」によって、どのような保護者への支援に繋がるのか伺います。
(2) 保育園による親の「1日保育体験」を推進することが、保護者や園、子どもにとって効果が大きいと考えますが、ご所見を伺います。