請願第1号
新潟水俣病全被害者の救済と問題解決に向けた取組に関する請願書
新潟水俣病は本年5月末日をもって公式確認から60年を迎えました。しかし、いまなお未救済の被害者が、水俣病であることを求めて裁判を起こしたり、公害健康被害補償法に則って認定申請するなど、新潟水俣病は終わっていません。その最大要因は、最高裁が現行の行政認定基準では認められなかった被害者を水俣病と認めたにもかかわらず、救済制度を見直さないことや水俣病特措法に基づく被害者発生地域の住民健康調査が確実に行われていないことなどによります。
一方、被害者は高齢化が進み、亡くなる者も後を絶ちません。ノーモア・ミナマタ新潟第2次訴訟では原告146人中すでに38人が亡くなっており、「生きているうちに解決を」は被害者の切実な叫びになっています。
こうしたことから、新潟県議会は水俣病の被害者救済は人道上の緊急課題でもあるとして、昨年度の6月定例会において「新潟水俣病全被害者の救済と問題解決に向けた取組を求める意見書」を全会一致で採択し、政府・国会に提出しました。また、被害者発生地域の新潟市、阿賀野市、五泉市、阿賀町の各議会も同様の意見書を9月定例会で採択し、政府・国会に提出しました。
しかるに、この一年、被害者団体と政府・環境省との解決に向けた協議はまったくと言っていいほど進んでおらず、このままでは被害者が亡くなって水俣病が終息するというあってはならない非人道的な決着をみることにもなりかねません。
こうしたことから新潟県議会と新潟市、阿賀野市、五泉市、阿賀町の各議会は去る9月議会定例会において前年と同様の意見書を再度全会一致で採択し、政府・国会に提出しました。
さらに、新潟県は今年度も水俣病被害者の早期救済と抜本的な救済制度の見直しなどを政府に要望しており、花角県知事は本年5月31日の公式確認60年行事において「被害を受けたすべての方々が等しく患者と認められ、救済を受けることができる恒久的な救済制度を確立すること」を宣言しました。
また、国会では6月19日に超党派で「水俣病被害者救済新法案」が衆議院に提出され、今臨時国会で審議される見通しです。
つきましては、新潟水俣病全被害者の救済と問題解決に向けて、次の事項について早急に取り組むことを求める意見書を政府及び国会に提出することを請願します。
請願事項
1 国は、未救済被害者の救済に向けて新たな救済制度を確立すること。
2 平成22年4月の特措法に関する閣議決定及び平成23年3月のノーモア・ミナマタ新潟訴訟の和解条項を踏まえて、阿賀野川流域住民の健康被害調査を早急に実施するよう、被害者団体と協議すること。
令和7年11月10日
新発田市議会議長 湯浅 佐太郎 様