本県では、高校生の4人に1人が私立高校で学んでおり、私立高校は公立高校と同様に公教育に重要な役割を担っています。
2026年4月から国の高等学校等就学支援金制度が拡充され、これまであった所得制限が撤廃され、私立高校生に対しては上限45万7200円の支給がおこなわれ、本県においては授業料の無償化が実現しました。
しかし、授業料が無償となっても、それ以外の学費の入学金や施設設備費の保護者負担は残されたままとなっています。そのため、公立高校との学費格差は依然として続いており、現状において年収270万円未満世帯では34〜54倍、年収270万円以上の世帯では44倍といった具合に大きな格差となっています。
高校への進学が当たり前となっている今日、公立でも私立でも学費の心配なく高校で学ぶことができるよう、国と県とが相まって私立高校学費の無償化をめざすことが求められます。
一方、私立高校の教育条件の維持・向上をはかるうえで、経常費助成予算の増額が求められます。学校教育現場では教員の長時間勤務が社会問題となり、教員のなり手不足や教員未配置問題も深刻な状況になっています。とりわけ本県私立高校では公立との比較において専任教員が不足している状況です。専任教員数の公私比較では、全教員に占める専任教員の割合が公立で約73%を占めるのに対して、私立は約61%にとどまっています。
私立高校は、それぞれが独自に特色ある教育を推進しており、その学校独自の教育の伝統を継承していくため、専任教員の増員が不可欠です。また、一人ひとりの生徒にゆきとどいた教育をおこなうためにも専任教員の増員は欠かせません。そのためには、専任教員増を可能とする経常費助成の増額が求められます。
そうしたなかで本県では、それぞれの地域にある私立高校の教育環境の維持・向上を目的に実施されている市町村(5市1町)の経常費助成を「二重の助成である」との理由から県の経常費助成の一部減額がおこなわれています。さらに、2026年度より3年間連続して募集定員の9割に満たない私立高校に対して県の経常費助成から減額されるなど、私立高校の教育環境の悪化を招く措置がおこなわれています。教育基本法第8条および私立学校振興助成法の趣旨に基づき、経常費助成は減額でなく増額をはかることが求められます。
新潟県知事におかれましては、私立高校生が学費の心配なく学ぶことができるとともに、専任教員を増やし一人ひとりの生徒にゆきとどいた教育がおこなえるよう、下記の事項について特段の措置を講じられるよう要望いたします。
記
1 学費の公私間格差の是正にむけて、従来の学費助成の財源を活用して、学費助成制度の拡充をおこなうこと。
(1) 入学時に重い負担となっている入学金に対して、助成対象世帯を広げ、助成の増額をおこなうこと。
(2) 施設設備費等へ助成対象世帯を広げ、助成の増額をおこなうこと。
2 私立高校において専任教員増を促進するため、経常費助成を増額すること。
3 私立高校の教育環境の悪化につながる経常費助成削減措置は、すみやかにとりやめること。
(1) 3年連続して募集定員の9割に満たなかった私立高校の経常費助成を減額する措置はとりやめること。
(2) 県内市町村がそれぞれの地域にある私立高校の教育環境の維持・向上をはかるために実施している市町村独自の経常費助成に対して、「二重の助成」として県の経常費助成から減額する措置はとりやめること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年10月7日
新潟県新発田市議会
( 提 出 先 )
新潟県知事 様