新潟水俣病は本年5月末日をもって公式確認から60年を迎えました。しかし、今なお未救済の被害者が、水俣病であることを求めて裁判を起こしたり、公害健康被害の補償等に関する法律に則って認定申請したりするなど、新潟水俣病は終わっていません。
その大きな要因は、最高裁判所が現行の行政認定基準では認められなかった被害者を水俣病と認めたにもかかわらず救済制度を見直さないことや、水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法(以下「特措法」という。)に基づく被害者発生地域の住民健康調査が確実に行われていないことなどによります。
一方、係属中の訴訟における原告の高齢化が進んでおり、「生きているうちに解決を」は被害者の切実な叫びであり、速やかな解決が求められています。
しかるに、この1年、被害者団体と政府・環境省との解決に向けた協議はまったくと言っていいほど進んでおらず、このままでは被害者が亡くなって水俣病が終息するというあってはならない非人道的な決着をみることにもなりかねません。
本年5月31日に開催された新潟水俣病公式確認60年の節目の式典において、花角英世新潟県知事は「被害を受けたすべての方々が等しく患者と認められ、救済を受けることができる恒久的な救済制度を確立すること」を宣言しています。
このように、新潟水俣病全被害者の救済は、新潟県民はもとより国民的にも解決しなければならない人道上の緊急課題といえます。
よって政府並びに国会におかれては、新潟水俣病全被害者の救済と問題解決に向けて、下記の事項について早急に取り組まれるよう強く要望します。
記
1 国は、未救済被害者の救済に向けて新たな救済制度を確立すること。
2 平成22年4月の特措法に関する閣議決定及び平成23年3月のノーモア・ミナマタ新潟訴訟の和解条項を踏まえて、阿賀野川流域住民の健康被害調査を早急に実施するよう、被害者団体と協議すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
令和7年12月22日
新潟県新発田市議会
( 提 出 先 )
衆議院議長 様
参議院議長 様
内閣総理大臣 様
総務大臣 様
財務大臣 様
厚生労働大臣 様
環境大臣 様