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会派代表質問・一般質問一覧要旨

会議名
令和3年12月定例会
質問日
令和3年12月2日
区分
一般質問
議員名
水野善栄
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資料

要旨

1 大倉喜八郎別邸蔵春閣の附帯設備、利活用、門前町構想について
 現在、東公園で建設中の蔵春閣は今年度末に移築完成の運びとなり新発田の大切な財産としての建造物となります。移築に関係された企業、諸団体の皆様には市民の一人として心から感謝する次第であります。昨年議会との折り合いがなされず取り下げとなりました付帯施設の予算については、昨年12月議会で、「新発田まち遺産の会」からは「蔵春閣」の利活用について、市民との協働による検討を求める請願書が、また「大倉喜八郎の会」からは「蔵春閣」の付帯施設整備への早期着工と一体的な利活用の早期実施に向けた陳情書が提出され、議会といたしまして、どちらについても賛成多数で採択されたところであります。その後、本年8月に「大倉喜八郎の会」から再度ほぼ同じ内容の陳情書が提出され承認されましたが、これこそは、全く見えてこない状況への市民のいらだちとも感じる次第であります。
 また、先日は蔵春閣移築場所の道路を挟んだ酒造会社において酒蔵の一部を改築し物産館等を展開する施設を建築する起工式が執り行われ、市長も来賓として参加されました事は承知しております。この事は単に酒造会社だけではなく、一般社団法人新発田歴史文化プロジェクトが事業主体となった周辺の神社仏閣、清水園、そして蔵春閣と連携をした、「越後新発田門前町プロジェクト」の一環した事業であり、官からの目立った事業進展がない中、民間によるプロジェクトが始動したと言わざるをえません。
 以上を踏まえて質問いたします。

(1) 請願及び陳情書に謳われていました、蔵春閣の利活用について、市民との対話の実現やそれに基づく計画の策定についてどのように考えていますでしょうか。今年度の現時点で何が実施されましたか。また、今後どのように進めて行くのでしょうか。

(2) 利活用を推進する中で、重要事項のひとつが経済性であります。蔵春閣運営の収支バランスは、どの様に検討、想定がなされるのでしょうか。飲食を伴うにしても明治宮殿様式を伝える貴重な歴史的な場所でもありますしそれに伴う什器、椅子、机も必要でしょう。年間どれほどの誘客を期待していますか。また食事をされる方と立ち寄りで来られた方との整合性の配慮についてどうお考えですか。こうした利活用の方向性が十分に検討された上で、必要な附帯工事が計画されるべきであると考えますが、ご説明をお願いします。

(3) 蔵春閣移築後に伴う市民への経済波及効果の想定はどの様にお考えでしょうか。

(4) 附帯設備は、防犯防災等の必要不可欠なものに限って整備すべきではないでしょうか。例えば、金閣寺、銀閣寺などの文化財そのものにはトイレも厨房も事務室もありません。それでも人は多く訪れます。必要なものは周辺に整備することが可能です。民間による近隣の開発が計画されるなか、蔵春閣の動態保存を検討すべきであり、蔵春閣本体はなるべく手を加えない方が価値は高まると考えますが如何でしょうか。大きな附帯設備が建設されることで、蔵春閣そのものの価値の低下や、景観を阻害してしまう事も危惧されます。

(5) 附帯施設が整備されていない場合、市民の皆様などに一般公開されないとの話を聞きますがどの様な理由で公開できないのでしょうか。例えばトイレは館外にあったとしても公開には支障がないと思われます。最低限どの様な設備があれば公開できるのでしょうか。

(6) 附帯設備に関連し、蔵春閣の移築後は景観にふさわしい東公園の整備が必要になってくると思われます。トイレ、SL、植栽等、検討事項はいくつもあると思われます。同時進行では市としての財政負担がかかりますので年次計画的に構想やビジョンを描き、6月議会の一般質問に取り上げた「濯纓亭」の復元も是非取り組んでいただきたいものです。市長の考えをお聞かせください。

(7) この度示された、民間による「越後新発田門前町プロジェクト」は、蔵春閣移設後の観光拠点の創成であり、将来的には中心市街地のみにとどまらず郊外も視野に入れた壮大な構想であります。具体的な事業遂行には、再開発や道路整備等にも影響を与えてくると思われます。市としてこのプロジェクトにどのような対応、取り組み、支援等を行っていくのか考えをお聞かせください。

(8) 移設工事が進んでおりますが、市民の蔵春閣に対する意識が今一つ盛り上がりません。大倉喜八郎翁を顕彰する事業がほとんど実施されていないのではないのでしょうか。今年度予算に計上されている「蔵春閣移築関連事業」は移設工事の記録映像や、見学会、企画展や情報発信を行うとのことですが、市のホームページや公式SNSを検索しても何も掲載が見当たりません。委託先の「ルーツシバタプロジェクト」についても、今年の2月にワークショップを開催したきりで、その検証効果もその後の活動も全く見えてきません。この移築関連事業の進捗状況と今後の市民の意識高揚にむけた市長の考えをお聞かせください。

(9) 蔵春閣の真の価値は建物と共に大倉喜八郎翁のスピリッツ、すなわち実学に基づいた「進一層」の気概を継承していくことにあると思います。そのためには蔵春閣に加え、大倉喜八郎翁を知り、学ぶための資料館や研究施設が必要になると考えます。来訪者の認識を深めるとともに市民、とりわけ若者にとりましては大切な郷土の誇りを醸成する場になると思いますが、こうした施設の建設について市長の考えをお聞かせください。
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