会派代表質問・一般質問一覧要旨
- 会議名
- 令和2年 9月定例会
- 質問日
- 令和2年9月10日
- 区分
- 一般質問
- 議員名
- 小柳肇
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- 資料
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要旨
1 SDGsへの取り組みによる地方の時代における自治体経営と魅力向上について
数年前から、企業経営において「環境」「社会的責任」「企業統治」を掲げた企業活動が避けられない国際情勢となり、Environment・Society・Governance その頭文字を取りESG経営・投資と呼ばれ、ビジネスパーソンの間では、もはや基礎的教養となってきた。
現代社会で存続を許される企業は「環境問題や社会問題を解決しそのための内部統制が確立」されていなければ投資対象にすらなれず「社会から存在意義さえ問われる」状態となったと考えて良い。
最近では、地球温暖化に伴う異常気象や海洋汚染などの問題もクローズアップされ、スウェーデンの環境保護活動家「グレタ・トゥーンベリ」さんの活躍に代表されるように、次世代を担う若者たちによって環境問題への問題提起が新たなフェーズに突入したと言っても過言でない。
身近なところでも「廃プラスチック問題」を発端に、レジ袋が有料化されたり、コーヒーチェーンのストローが植物由来になったりと、その変化は身近なところにも多数認められる。
2015年の国連サミットで「誰一人取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現」のため、加盟193か国が参加して2030年までに17の目標と具体的な169のターゲットを定め5 年が経過した。
市中では「シンボルバッチ」を付けた方や、企業の広報などでも目につくようになってきており、政府が主導する「SDGs 未来都市」では、県内では、昨年度、見附市が選定され補助事業を実施している。
今後は世界的な潮流から自治体経営の上でも「やった方が良い」から「取り組まないと相手にされない」時代が刻々と迫っており当に「パラダイムシフトの最中」であると考え市長に伺う。
(1) 都市としての魅力向上、とりわけシビックプライド醸成の面で、現在60都市が選定されている「SDGs 未来都市」は今後5年間に毎年30都市を上乗せする計画が発表された。当市も早急に取り組み認定を目指すべきと考えるが市長の考えは?
(2) コロナ禍により地方への移住ニーズが高まっている。選ばれる地域になるためにも、SDGs への取り組み姿勢は大きなアドバンテージとなり得るが市長の考えは?
(3) 社会は明らかに「経済&効率重視」の考えから「人間らしく&環境配慮」を重視するエシカルな考え方が支配的となっている。山海の自然に恵まれた「適度な田舎」と「程よい都市基盤」が絶妙なバランスで同居する新発田の優位性は比較的高いと考える。コロナ禍のこの機を逃さず「都市としての発信力」を高めてはいかがか?
2 今だからこそ問われる文化振興による「都市の価値向上」とアートのあるまちづくり
コロナ禍によって世界的に文化活動に対する逆風が吹き荒れている。
元来、経済的に脆弱であったアート・エンタメ業界ではあるが、コロナ禍による展覧会や興行の中止にはじまり、「新しい生活習慣」による会場の定員減や練習環境の確保、そもそも人の移動や交流が制約されることに対するダメージは計り知れない。
ようやく流行初期の「恐怖一色」+「自粛の嵐」から、通常の生活再開を目指して「コロナと付き合っていく」流れが出来つつあるが、行政の方針は相変わらず初期の「非常時対応」から抜け出せずにおり、経済が完全死になりつつある今になっても、やや過剰な対応と思われる事例が見受けられる。
街の価値は文化を抜きには語れない。勿論、前提として、マズローの欲求五段階説のとおり、生存や安全安心、経済的安定は重要視されるが、厳しい都市間競争のなかで、自治体間の魅力を最後に決定づけるのは「文化」に他ならない。
新発田は住環境基盤が良く、適度な都市と田舎の魅力がバランスしているが、こと「文化」に関しては民間任せの感が否めない。
裏を返せば、先人達の文化に対する意識が高かった証でもあるが、次世代までも続くのは厳しいと考えざるを得ない。
そこで文化行政の視点から教育長に、まちづくりの視点から市長に伺う。
(1) 現在、文化会館等の定員を1/2 に規制しているが、今後は国の指針に従うのか?また、生涯学習センター講堂は定員を 1/3 以下と言うが、その科学的根拠を示して欲しい。
(2) 議会請願が採択された通り、市民の間で、博物館・美術館機能を有するミュージアム設置の声が高まっている。新発田は国替えが無く火災も免れたことから古文書が多数現存し、江戸時代の貴重な民俗研究の資料となっている。藩政時代の資料活用は、観光振興や街の価値向上につながると考えるが、ミュージアム設置に関して市長は「検討する」とは言うが、具体的な動きは見えない。返礼を伴わない「ふるさと納税」の受入先にもなり得る「ミュージアム基金」創設を行うなど「小さな一歩」から取り組みを始めても良いのでないか?
(3) 旧豊浦町の小学校の統合が来春に迫り、空き校舎の活用が大きな問題となってくる。とりわけ、天王小学校や本田小学校の校舎はあまりにも立派な建築で、その活用を行わない手は無い。文化振興とアートによる地域活性化、いわゆるアートツーリズムへの活用へと発展させ、魅力ある街への起爆剤とすべく、アーティスト・イン・レジデンスへの活用を検討してはどうか?