議会第4号 水俣病特別措置法の申請期限延長等を求める意見書
議決日:平成24年6月25日
議決結果:可決(全員賛成)
採決状況:
賛成26、反対0
新潟水俣病は熊本の水俣病の被害拡大を防ぎえず第2の水俣病として、1965年(昭和40年)6月12日に公式発表され、今年の6月で47年目を迎えます。世界最大の公害病である水俣病の被害者は新潟で3千名を超え、熊本・鹿児島では6万名を超える数となり、九州の有明海沿岸、新潟の阿賀野川流域に甚大な被害を与えました。
水俣病公表の半世紀を過ぎた現在でも名乗り出る被害者は後を絶ちません。平成22年5月開始の水俣病特別措置法の申請受付は、新潟では今年4月末で1,395名に上っています。
そのような中、環境省は2月に特別措置法の申請期限を7月末と発表しました。その後、申請者数は3月に84名、4月に69名とそれ以前の月30名前後の2倍以上の大幅増となり、今後の申請者はさらに300名が予測されます。
調査によると、これら被害者の多くは、水俣病に対する社会的差別に対する恐れや水俣病そのものに対する無知、無理解から申請手続きをしなかったことによると考えられ、度重なる住民検診や県の啓発活動等によって、ようやく名乗り上げ始めてきたと言えます。
環境省の「7月末締切」は、こうした多数の潜在被害者の切り捨てにつながり、またしても問題解決を先送りするものです。
水俣病特別措置法は「地域における紛争を終結させ、水俣病問題の最終解決」を図るため、「救済を受けるべき人々があたう限りすべて救済されること」を、救済の原則にしています。「7月末締切」はこの特別措置法そのものにも反することにもなります。
3月に新潟県の泉田裕彦知事は環境大臣に「申請期限の撤回」を要望し、新潟県議会は全会一致で「申請期限の延長」を求める意見書を国に提出しています。
新潟水俣病被害者と新潟県民が強く願っている全ての水俣病被害者の救済と水俣病問題の解決に向けて、下記の事項の実現を求めるものです。
記
1.水俣病特措法の申請期限を延長するとともに、恒久的な救済システムを確立すること。
2.全ての水俣病被害者を救済するために、阿賀野川流域の住民健康調査の実施及び民間の医療機関が行う住民検診に協力し、潜在被害者の発掘に努めること。また、住民健康調査の手法・手段等については、関係者推薦の疫学・社会学・法学等関係者による調査会を環境大臣直属の機関として設け、健康調査を実施すること。
3.なぜ第二の水俣病の発生を防止できなかったのか、行政の立場からしっかり検証すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成24年6月25日
新潟県新発田市議会
( 提 出 先 )
衆議院議長 横路 孝弘 様
参議院議長 平田 健二 様
内閣総理大臣 野田 佳彦 様
環境大臣 細野 豪志 様
総務大臣 川端 達夫 様
財務大臣 安住 淳 様
厚生労働大臣 小宮山 洋子 様