議会第1号 地方財政の充実・強化に関する意見書
議決日:令和8年6月29日
議決結果:原案可決(全員賛成)
いま、地方公共団体には、急激な少子・高齢化にともなう社会保障制度の整備、子育て施策、人口減少下における地域活性化対策はもとより、DXの推進、脱炭素化、物価高騰対策など、極めて多岐にわたる新たな役割が求められています。加えて、多発化する大規模災害への対応も求められる中、地域公共サービスを担う人員は慢性的に不足しており、職場における疲弊感は日々深刻化しています。
政府はこれまで「骨太方針」に基づき、地方一般財源の前年度水準を確保する姿勢を示してきました。しかし、物価高騰や資材・労務費の上昇による行政コストの増大、さらには慢性的な人員不足を踏まえると、今後も引き続き一般財源総額の確保が求められます。
2026年度地方財政計画は、物価高や人件費の増大に対応する内容となっていますが、2027年度政府予算及び地方財政の検討にあたっても、物価高騰や賃金上昇に伴う行政コストの増大を的確に反映し、社会全体で求められている賃上げ基調と相応する人件費の確保をはじめ、一般財源総額のさらなる充実が図られる地方財政を実現するよう、以下の事項を求めます。
記
1 社会保障の充実、地域活性化、自治体DX、脱炭素化、物価高騰対策、教育の無償化、防災・減災、地域公共交通の再構築など、増大する地方公共団体の財政需要を的確に把握するとともに、現行の水準にとどまらない、より積極的な地方財源の確保・充実をはかること。
2 とりわけ、子育て対策、地域医療の確保、介護や生活困窮者の自立支援などより高まりつつある社会保障ニーズが自治体の一般行政経費を圧迫していることから、引き続き、地方単独事業分も含めた、十分な社会保障経費の拡充をはかること。加えて、これらの分野を支える人材確保にむけた自治体の取り組みを十分に支える財政措置を講じること。
3 地方交付税の法定率を引き上げるなどし、引き続き臨時財政対策債に頼ら
ない、より自律的な地方財政の確立に取り組むこと。また、地域間の財源偏在性の是正にむけては、所得税や偏在性がより小さい消費税を対象に国税から地方税への税源移譲を行うなど、より抜本的な改善を行うこと。
4 政府として減税政策を検討する際は、地方財政を棄損することがないよ う、あらかじめ「国と地方の協議の場」を活用するなどし、特段の配慮を行うとともに、地方財政への影響が想定される場合は、確実にその補填を行うこと。
5 「地方創生推進費」として確保されている1兆円については、現行の財政需要において不可欠な規模であることから、恒久的財源としてより明確に位置付けること。
6 会計年度任用職員のさらなる処遇改善や2027年度の給与改善に備え、十分な財政措置を講じること。
7 自治体業務システムの標準化・共通化については、システム移行によって増額した各種経費について、国の責任において必要な財源を補填すること。また、戸籍等への記載事項における「氏名の振り仮名」の法制化や、マイナンバーカードを基盤とした健康保険証・運転免許証との機能統合、自治体のサイバーセキュリティ対策強化など、自治体DXにともなうシステム改修や事務負担、人件費の増大が想定される際は、十分な財政支援を行うこと。
8 地域の活性化にむけて、その存在意義が改めて重視されている地域公共 交通について、公共交通専任担当者の確保を支援するとともに、こども・子育て政策と同様、普通交付税の個別算定項目に位置付け、一層の施策充実をはかること。
9 地域医療を安定的に確保する観点から、物価高騰等の影響を踏まえ、公立病院に対する十分な財政支援を講じること。
10 人口減少に直面する小規模自治体を支援するため、段階補正を拡充する など、地方交付税の財源保障機能・財政調整機能の強化をはかること。
11 自治体が実施する事業において、労務費の適切な価格転嫁が果たされる よう、引き続き、必要な財政支援を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
令和8年6月29日
新潟県新発田市議会
( 提 出 先 )
衆議院議長 様
参議院議長 様
内閣総理大臣 様
財務大臣 様
総務大臣 様
厚生労働大臣 様
国土交通大臣 様
デジタル大臣 様
内閣府特命担当大臣(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画 共生・共助) 様