2019年度の最低賃金改定では、最高の東京で時給1,013円、新潟県830円、最も低い鹿児島県などで790円にしか過ぎません。フルタイムで働いても年収120〜150万円にしかならず、最低賃金法第9条「労働者の健康で文化的な生活」を確保することはできません。さらに地域別であるがゆえに鹿児島と東京では、同じ仕事をしても時給で223円も格差があります。若い労働者の都市部への流失を招き、地域の労働力不足を招いています。地域経済の疲弊につながり、自治体税収が不足し行政運営にも影響が出始めています。最低生計費調査によれば、健康で文化的な生活をする上で必要な生計費に大きな地域間格差は認められません。若者が自立して生活するうえで必要な生計費は全国どこでも月22〜24万円、時給額で1,500円前後の収入が必要との結果です。
日本の最低賃金はОECD諸国で最低水準です。また、その殆どの国では地域別ではなく全国一律制度です。ОECD加盟国は最低賃金を引き上げ、購買力平価換算で時給額1,200円以上、月額約20万以上は当然となっています。政府が率先して中小企業支援策を実施して公正取引ルールを整備し、最低賃金の引き上げを支えています。日本でも中小企業への具体的な使いやすい支援策を拡充し、最低賃金大幅引き上げを要望します。
労働者の生活と労働力の質と消費購買力を確保し、地域経済と中小企業を支える循環型地域経済の確立によって、誰もが安心して暮らせる社会をつくりたいと考えます。そのために、最低賃金の抜本的な引き上げと全国一律性にしていくことを要望します。
以上の趣旨により、下記の項目の早期実現を求め意見書を提出します。
記
1 政府は、労働者の生活を支えるため、最低賃金・時間給1,500円をめざし大幅に引き上げること。
2 政府は、最低賃金法を「全国一律最低賃金制度」に改正すること。
3 政府は、最低賃金の引き上げを円滑にするため、中小企業への支援策を拡充すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和2年3月27日
新潟県新発田市議会
( 提 出 先 )
内閣総理大臣 安 倍 晋 三 様
厚生労働大臣 加 藤 勝 信 様